ニューモキャッチ2(2026~2028年)

本邦における小児侵襲性肺炎球菌感染症を引き起こす
肺炎球菌血清型に関するサーベイランス(2026~2028年)ニューモキャッチ2

主任研究者ごあいさつ

主任研究者ごあいさつ

肺炎球菌は、現在もなお世界中の小児における重要な細菌感染症の原因菌であり、侵襲性肺炎球菌感染症(IPD)は乳幼児において重篤化する可能性のある疾患として重要視されています。

近年、肺炎球菌結合型ワクチン(PCV)の導入により、本邦においてもPCV7、PCV13に続き、2025年にはPCV15およびPCV20が導入されました。これによりワクチンに含まれる血清型によるIPDの発生は大きく減少しました。一方で、ワクチンに含まれない血清型によるIPD(non-vaccine type IPD: NVT-IPD)の増加が国内外で報告されており、血清型分布や薬剤耐性の変化を継続的に把握することが重要となっています。さらに、PCV7、PCV13、PCV15、PCV20と複数のワクチンが順次導入された結果、日本では異なるワクチン接種歴を有する小児集団が存在しています。このような状況下で、各ワクチンが血清型分布やIPD発症に与える影響を評価するためには、全国規模の継続的なサーベイランスが不可欠です。

しかしながら、現在の全国IPDサーベイランスでは、臨床情報、人口統計学的情報、予防接種歴などの情報が十分に収集されているとはいえず、新たなPCV導入後の実臨床への影響を評価するためには、より充実したサーベイランス体制の構築が求められています。

このような背景のもと、このたび研究体制を整備し、2026年より本研究を再開する運びとなりました。

本研究では、日本全国の小児IPD症例を収集し、肺炎球菌の血清型、薬剤感受性、遺伝学的特徴を解析すると共に、ワクチン接種歴や臨床経過、転帰との関連について検討を行います。これにより、わが国におけるIPDの実態を明らかにし、将来のワクチン政策や感染症対策に貢献することを目指しています。

本研究は、一医療機関では遂行することはできません。IPD診療に携わる多くの小児科医の先生方のご理解とご協力が不可欠です。本研究の趣旨をご理解のうえ、多くの先生方にご参加いただけますよう、心よりお願い申し上げます。

2026年7月吉日
主任研究者
国立病院機構三重病院
藤澤 隆夫